全くの初心者向け アロマストーン作りの始め方 低コストで手軽に香りを楽しむ
ご自宅で手軽に香りを楽しみたい、何か新しい趣味を始めてみたいけれど、時間や費用をかけるのは難しいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。そんな方にご紹介したいのが、アロマストーン作りです。アロマストーンは、石膏などを固めて作られた素焼きの置物で、表面にアロマオイルを垂らすことで香りをゆっくりと広げることができます。特別な道具や広い場所も不要で、比較的短い時間、そして低コストで始められるのが魅力です。また、形や色を工夫すれば、オリジナルのインテリアとしても楽しむことができます。
アロマストーン作りの魅力
アロマストーン作りには、いくつかの魅力があります。まず、材料を混ぜて型に流し込むというシンプルな工程のため、手軽に始めやすい点が挙げられます。大きな作業スペースも必要なく、キッチンやリビングの片隅でも行うことができます。
次に、完成したアロマストーンを自宅に置くことで、好きな香りを日常に取り入れられる点です。玄関、リビング、寝室、クローゼットなど、小さなスペースにも置くことができ、その場の空気を穏やかに香らせます。火を使わないため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して香りを楽しめます。
さらに、石膏に着色料を混ぜたり、様々な形の型を使ったりすることで、個性豊かなアロマストーンを作れるのも楽しみの一つです。手作りの温かみがあるアロマストーンは、ご自身で楽しむだけでなく、ちょっとしたプレゼントとしても喜ばれるでしょう。
全くの初心者が最初に取り組むべきステップ
アロマストーン作りの基本的なステップは非常にシンプルです。
- 材料と道具を準備する まずは、アロマストーン作りに必要な基本的な材料と道具を揃えます。詳細はこの後で解説しますが、石膏パウダー、水、混ぜる容器、ヘラ、型、そしてお好みのエッセンシャルオイル(アロマオイル)があれば始めることができます。
- 石膏と水を混ぜる 石膏パウダーに水を加えて混ぜ合わせます。水の量は石膏の種類によって推奨される割合が異なりますので、購入した石膏パウダーの説明書を確認してください。滑らかな、だまのない状態になるまで手早く混ぜます。
- 型に流し込む 混ぜ合わせた石膏液を型にゆっくりと流し込みます。気泡が入らないように、型を軽くトントンと叩くと良いでしょう。
- 固まるまで待つ 石膏液が固まるまで待ちます。固まるまでの時間は、石膏の種類や環境によって異なりますが、数十分から数時間で触っても崩れない程度に固まります。完全に乾燥させるには、さらに数時間から一日程度かかります。
- 型から外す 石膏が完全に固まったら、型からそっと取り出します。完全に乾燥してからの方が、綺麗に外しやすい場合が多いです。
- アロマオイルを垂らす 十分に乾燥したアロマストーンに、お好みのエッセンシャルオイルを数滴垂らします。石膏がオイルを吸い込み、徐々に香りが広がります。香りが薄くなったら、再度オイルを垂らして繰り返し楽しむことができます。
必要な道具や材料
アロマストーン作りに最低限必要なものと、揃え方のヒントです。
最低限必要なもの
- 石膏パウダー: アロマストーンの主材料です。ハンドクラフト用や吉野石膏の「ハイストーン」などが扱いやすいとされています。少量パックも販売されています。
- 水: 石膏と混ぜるために使用します。水道水で問題ありません。
- 混ぜる容器: 石膏と水を混ぜるための容器です。プラスチック製や紙製など、洗いやすいものや使い捨てできるものが便利です。
- ヘラまたはスプーン: 石膏と水を混ぜるために使用します。使い捨てのマドラーや割り箸などでも代用可能です。
- 型: 石膏を流し込んでアロマストーンの形を作るためのものです。シリコン製の製氷皿やマフィン型、クッキー型、プリンカップ、紙コップなど、様々なものを型として利用できます。専用の石膏用モールドも販売されています。
- エッセンシャルオイル(アロマオイル): 完成したストーンに香りをつけるためのものです。お好みの香りを選びます。
おすすめの選び方・費用を抑える工夫
- 石膏パウダー: 最初は少量パックから試すのがおすすめです。価格は数百円から千円程度で購入できます。
- 混ぜる容器・ヘラ: 100円ショップで販売されている紙コップやプラスチックコップ、マドラーなどを使えば、使用後にそのまま捨てられるため片付けが簡単で衛生的です。
- 型: シリコン製の製氷皿やデザートカップは100円ショップでも豊富に入手できます。様々な形があるため、楽しみながら選べます。クッキー型を使う場合は、下にラップなどを敷いて漏れを防ぐ工夫をすると良いでしょう。
- エッセンシャルオイル: 純粋なエッセンシャルオイルは少し高価なものもありますが、少量ずつ購入すれば費用を抑えられます。香料(フレグランスオイル)でも香りを楽しむことはできますが、アロマテラピー効果などを期待する場合はエッセンシャルオイルを選びます。最近では、お試しサイズのミニボトルセットなども販売されています。
費用について
アロマストーン作りを始めるための初期費用は、選ぶ材料や道具によって大きく変わりますが、低コストで始めることが十分に可能です。
- 初期費用: 100円ショップで揃えられる道具(混ぜる容器、ヘラ、型の一部)と、石膏パウダーの少量パック、お試しサイズのエッセンシャルオイルを組み合わせれば、1,000円台から2,000円程度で始めることができるでしょう。もう少ししっかりしたシリコンモールドや数種類のエッセンシャルオイルを揃えると、3,000円〜5,000円程度になる場合があります。
- 継続する場合にかかる可能性のある費用: 主に石膏パウダーとエッセンシャルオイルの補充費用です。一度にたくさん作る場合は石膏パウダー、頻繁に香りを楽しんだり、様々な香りを試したりする場合はエッセンシャルオイルの費用がかかります。しかし、どちらも一度に大量に消費するものではないため、趣味として無理なく続けやすい費用感と言えます。
時間について
アロマストーン作りの工程自体にかかる時間は、非常に短いです。
- 一度にかかる時間の目安: 石膏パウダーと水を混ぜて型に流し込む作業は、5分から10分程度で完了します。その後、石膏が固まるまで数十分から数時間、完全に乾燥させるのに数時間から一日程度かかりますが、この時間は他の作業をしたり、休憩したりすることができます。
- 短い時間でも楽しめる工夫: まとまった時間が取れない場合でも、「材料を混ぜて型に入れるところまでを数分で行い、固まるのは放っておく」といった形で作業を区切ることができます。乾燥待ちの時間があるため、他の家事や作業の合間に行うのに適しています。
- 無理なく続けられるか: 作業時間自体が短いため、毎日行う必要はなく、週に数時間、あるいは週末に少し時間を作るだけでも十分に楽しむことができます。一度にまとめていくつか作っておけば、しばらく楽しむことも可能です。
場所について
アロマストーン作りは、自宅の特別な場所が不要です。
- 必要な場所: キッチンのカウンターやダイニングテーブル、リビングのローテーブルなど、平らな場所があれば作業できます。石膏の粉が少し舞う可能性や、水を使うため、新聞紙やビニールシートなどを敷いてから作業すると、後片付けが楽になります。
- 必要な場合の条件: 特にありません。換気ができる場所で行うと、石膏の微粉末を吸い込むリスクを減らすことができます。
一人で楽しめるか、家族(特に子供)と一緒に楽しめるか
アロマストーン作りは、一人でも、家族と一緒でも楽しめます。
- 一人で楽しむ: 好きな色や形、香りをじっくり選びながら、無心になって作業に集中する時間は、良い気分転換になるでしょう。完成したストーンをどこに置こうか考えるのも楽しいものです。
- 家族(特に子供)と一緒に楽しむ: 子供と一緒に楽しむのに非常に適した趣味の一つです。石膏を混ぜる工程や型に流し込む工程は、大人がサポートしながら行います。特に、様々な形をした型に流し込む作業や、固まった後に型から外す作業は、子供にとってワクワクする体験になるでしょう。石膏が乾いた後に、絵の具などで色を塗る工程も、子供の創造性を育むのに役立つでしょう。 ただし、石膏の粉を吸い込まないよう換気をしっかり行うこと、アロマオイルは原液に触れないよう注意すること、完成したアロマストーンは誤飲を防ぐため子供の手の届かない場所に置くことなど、安全には十分配慮が必要です。
初心者がつまずきやすい点とその対処法
初めてアロマストーン作りに挑戦する際、いくつかの点で難しさを感じるかもしれません。
- 石膏と水の量のバランス: 石膏パウダーの種類によって最適な水の割合が異なります。水の量が多すぎると固まりにくく脆くなり、少なすぎると混ぜにくくダマになりやすいです。
- 対処法: 最初は少量で試してみるか、説明書通りの分量を正確に計量することをおすすめします。慣れてきたら、混ぜながら水の量を調整する感覚がつかめてくるでしょう。少しずつ水を加えるようにすると失敗しにくいです。
- 石膏を混ぜるスピード: 石膏は水を加えるとすぐに固まり始める性質があります。ゆっくり混ぜていると、固まり始めてだまになってしまうことがあります。
- 対処法: 水を加えたら、手早く均一になるように混ぜ合わせます。混ぜ終わったらすぐに型に流し込むように準備しておきましょう。
- 型からうまく外せない: 石膏が十分に固まっていないうちに型から外そうとしたり、型の素材によってはくっついてしまったりすることがあります。
- 対処法: 石膏が完全に固まるまで、説明書に記載されている時間を目安に十分に待ちます。柔らかいシリコン製の型は、固まった後も比較的スムーズに取り出しやすいので初心者におすすめです。
- 石膏の表面がザラザラになる、気泡が入る: 混ぜ方が不十分だったり、型に流し込む際に気泡が入ってしまったりすると、表面が滑らかにならないことがあります。
- 対処法: 石膏液を混ぜる際は、だまがなくなるまでしっかりと、かつ手早く混ぜます。型に流し込んだ後、型を軽くトントンと地面に打ち付けたり、爪楊枝などで表面の気泡を潰したりすると、滑らかな仕上がりになります。
まとめ
アロマストーン作りは、特別な技術や高価な道具がなくても、誰でも気軽に始められる趣味です。石膏と水、型、そしてお好みのエッセンシャルオイルがあれば、ご自宅でオリジナルのアロマストーンを作ることができます。初期費用を抑えたい場合は、100円ショップで手に入るアイテムを上手に活用するのも良いでしょう。
作業時間も短く、まとまった時間が取れない方でも隙間時間を活用して楽しむことができます。完成したアロマストーンは、ご自宅の好きな場所に置いて香りのインテリアとして楽しんだり、繰り返しアロマオイルを垂らして長く愛用したりできます。一人でリラックスしながら取り組むのも良いですし、お子様と一緒にワイワイと形や色を選んで作るのも楽しい思い出になるはずです。
もし何か新しい趣味を探しているのであれば、アロマストーン作りを試してみてはいかがでしょうか。最初の一歩を踏み出すことで、香りとともに心地よい時間を過ごせるかもしれません。