全くの初心者向け マクラメの始め方 紐を結んで手軽に小物を作る
マクラメとは、紐や糸を手で結んで模様を作りながら作品を仕上げていく手芸技法の一つです。特別な道具をほとんど使わず、紐とハサミがあれば比較的気軽に始められるため、近年改めて注目されています。キーホルダーやブレスレットのような小さなアクセサリーから、プラントハンガーやタペストリーといったインテリアまで、様々なものを作ることができます。
マクラメの魅力は、編み物のように針を使わないため、手軽に始めやすい点にあります。また、使う紐の色や素材、太さによって作品の印象が大きく変わるため、オリジナリティあふれる作品づくりを楽しめるでしょう。隙間時間に少しずつ進めることもでき、完成した作品を日常で使うことができるのも、一つの喜びとなります。
マクラメを始めるための基本ステップ
全くマクラメの経験がない方が最初に取り組むべきステップはいくつかあります。
まず、マクラメに必要な最低限の道具と材料を揃えることから始めます。次に、マクラメの基本的な結び方をいくつか覚えます。巻き結びや平結びといった代表的な結び方をマスターすることで、多くの作品に応用できるようになります。
結び方を覚えたら、いきなり大きな作品に挑戦するのではなく、キーホルダーや簡単なブレスレットなど、短時間で完成させられる小さなものから作り始めるのがおすすめです。小さな成功体験を重ねることで、楽しく続けるモチベーションにつながります。
マクラメに必要な道具と材料
マクラメを始めるために最低限必要なものは、主に以下の通りです。
- 紐または糸: マクラメの主材料となります。素材はコットン、ヘンプ、リネン、ワックスコードなど様々で、太さも多岐にわたります。最初は扱いやすいコットンやワックスコードの3mm〜5mm程度の太さのものがおすすめです。色も豊富にあるため、お好みのものを選んでみてください。
- ハサミ: 紐を切るために必要です。布切り用のはさみや、よく切れる普通のはさみで問題ありません。
- 作業台または固定できるもの: 紐を結ぶ際に、根元を固定するためのものがあると作業しやすくなります。専用のマクラメボードやクリップボードがあれば便利ですが、テーブルの端にテープで固定したり、安全ピンを使ってクッションや厚紙に留めたりすることでも代用可能です。
その他、作品によってはメジャー、定規、ウッドビーズやリングなどの副資材が必要になる場合があります。
費用について
マクラメを始める際の初期費用は、選ぶ紐の種類や購入場所によって大きく変動しますが、非常に低コストで始めることが可能です。
最低限必要な紐、ハサミ、固定具を揃える場合、初期費用は数百円から数千円程度で済むと考えられます。例えば、100円ショップでもマクラメに適した紐やハサミ、クリップボードなどが販売されていることがあります。これらを活用すれば、数百円でマクラメを始めることも夢ではありません。
継続して作品を作る場合にかかる費用は、主に紐代です。作る作品のサイズや使用する紐の量によって異なります。大きなタペストリーなどを作る場合はそれなりに紐が必要になりますが、小物中心であれば紐1巻きで複数の作品を作ることが可能です。
低コストで始めるためには、まずは100円ショップや手芸店のセール品などを活用し、少量ずつ必要なものを揃えてみるのが良いでしょう。
時間について
マクラメは、一度に長時間まとまった作業時間を取る必要はありません。
簡単なキーホルダーであれば数十分で完成させることも可能です。少し複雑なものでも、数時間あれば一つ仕上げることができるでしょう。大きな作品の場合でも、結び進めるごとに区切りをつけやすいため、一日の中で15分や30分といった短いスキマ時間を見つけて少しずつ作業を進めることが十分に可能です。
毎日必ずしも時間を確保する必要はなく、週末にまとめて作業したり、平日の手が空いた時間に少しだけ取り組んだりと、ご自身のペースで無理なく続けることができる趣味と言えます。
場所について
マクラメは自宅で手軽に行うことができます。
特別な作業部屋や広いスペースは必須ではありません。テーブルの上や膝の上など、紐を結ぶためのスペースが確保できれば十分です。小さな作品であれば場所を取らず、リビングや寝室など、どこでも作業が可能です。ただし、大きなタペストリーなど長い紐を使う作品を作る場合は、ある程度の広さがあった方が作業しやすい場合があります。
一人で、または家族と一緒に楽しむ
マクラメは一人で集中して作品づくりに取り組むのに適した趣味です。静かに手を動かす時間は、日々の忙しさから離れてリフレッシュする機会となるでしょう。
また、ご家族、特に年齢が上がってきたお子様と一緒に楽しむことも可能です。簡単な結び方を教えて、一緒にブレスレットを作ったり、親子で一つの大きな作品の共同作業をしたりするのも良い経験になるかもしれません。紐の色を選ぶだけでも楽しい時間となるでしょう。
初心者がつまずきやすい点とその対処法
マクラメ初心者の方が最初につまずきやすい点の一つは、結び方を間違えてしまうことです。動画やテキストを見ながら進めても、どの紐をどう動かすか混乱することがあるかもしれません。もし間違えてしまった場合でも、慌てずに落ち着いて結び目をほどいてみましょう。マクラメはほどくことができるため、何度でもやり直すことができます。動画でゆっくりと動きを確認しながら練習するのがおすすめです。
また、作品を作る上で「紐の長さが足りなくなった」「紐が余りすぎた」といった問題も起こりがちです。レシピ通りに紐を切っても、結び加減によって使用する長さは少し変わることがあります。最初は少し長めに紐を切っておくと安心です。余った紐は、他の作品に活用したり、短い作品を作ったりするのに使うことができます。
作品が歪んでしまうという場合もあります。これは、結ぶ力の強さが均一でないことが原因として考えられます。特に基本の結び方を練習する際は、できるだけ一定の力で結ぶことを意識してみましょう。
マクラメは、繰り返しの練習で結び方を覚えていくことが大切です。最初はうまくいかなくても、焦らず楽しみながら続けることが上達への道につながります。
マクラメは、少ない道具で気軽に始められる、暮らしに彩りを添える手仕事です。ぜひ、お好みの紐を見つけて、マクラメの世界へ最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。