全くの初心者向け タングルアート(ゼンタングル)の始め方 低コストで集中とリラックスを楽しむ
タングルアートやゼンタングルは、パターン(模様)を繰り返し描くことで美しい抽象的な絵を作り出すアート手法です。特別なスキルや絵心は不要で、誰でも手軽に始めることができます。集中して手を動かす無心になれる時間は、日々の忙しさから離れ、心穏やかなひとときをもたらしてくれるでしょう。完成した作品は達成感があり、飾ったり、ちょっとしたメッセージカードに添えたりと楽しむことも可能です。
タングルアート(ゼンタングル)を始めるためのステップ
タングルアートを始めるのに複雑な準備は必要ありません。以下のステップで、気軽に最初の一歩を踏み出せます。
- 基本的な道具を用意する まずは紙とペン、鉛筆、消しゴムの4つがあれば始めることができます。特別な道具である必要はありません。
- 簡単なパターンを練習する インターネットや書籍で紹介されている基本的なパターンを、紙に繰り返し描いて練習します。曲線、直線、点などを組み合わせたシンプルなものから始めると良いでしょう。
- 「タイル」に描いてみる ゼンタングルでは、描くための小さな紙を「タイル」と呼びます。正方形の紙を用意し、まず鉛筆で四隅に点を打ち、それらを結んで枠を作ります。次に、その枠の中をいくつかの区画に分け(これを「ストリング」と呼びます)、それぞれの区画に練習したパターンを描き込んでいきます。
- シェーディングで立体感を出す パターンを描き終えたら、鉛筆で影をつけ、それを指や擦筆(さっぴつ)でぼかします。これによって作品に深みと立体感が生まれます。
この一連の流れを通じて、一つの作品が完成します。
必要な道具と費用を抑える工夫
タングルアートは、非常に少ない道具で始められるのが魅力です。
最低限必要なもの
- 紙: 画用紙やケント紙など、ある程度の厚みがあるものが描きやすいです。ハガキサイズや名刺サイズなど、小さな紙を用意すると気軽に始められます。
- 黒の細字ペン: インクがにじみにくい、耐水性のペンがおすすめです。線の太さは0.1mm〜0.5mm程度が良いでしょう。
- 鉛筆: 濃すぎないHB程度の硬さが適しています。
- 消しゴム: 鉛筆の線や点描を消すために使用します。
おすすめの選び方・初心者が注意すべき点
- ペン: 最初は普段使っている油性または水性ペン(ただし水で滲まないか確認)でも構いません。慣れてきたら、製図用ペンなど、より書き心地の良いものを選ぶと表現の幅が広がります。ゼンタングル公式では「ピグマ」の01サイズなどが推奨されています。
- 紙: 公式のゼンタングルタイルは高級ですが、最初は厚手のコピー用紙や100円ショップの画用紙、ノートの切れ端などでも十分練習できます。
代用できるもの・100円ショップなどで揃えられるもの
- ペン: ボールペン(ただし滑りやすい場合がある)、サインペン(太さに注意)でも代用可能です。
- 紙: 100円ショップの画用紙、折り紙(厚手のもの)、白無地のコースターなども利用できます。
- シェーディング用: 擦筆の代わりに、綿棒やティッシュを細く巻いたものでもぼかすことができます。
始めるのにかかる費用
タングルアートの初期費用は、非常に低く抑えることが可能です。
- 初期費用: 普段お使いのペンと紙があれば0円で始められます。新しく最低限の道具(ペン1本、画用紙数枚)を揃える場合でも、数百円程度でしょう。こだわったペンや紙、公式のタイルなどを揃える場合でも、数千円程度で始められます。
- 継続費用: 主に紙とペンのインク代になります。これも描く頻度によりますが、月に数百円程度で十分に楽しむことができます。
低コストで始めるためには、まずは手持ちの文具や100円ショップで代用できるものを活用するのが良い方法です。
時間と場所の柔軟性
- 時間: 5分や10分といった短い隙間時間でも、一つのパターンを繰り返し描くといった形で楽しめます。一つの作品を完成させるのに数十分から数時間かけることもできますが、無理なく自分のペースで中断・再開が可能です。
- 場所: 自宅のリビング、ダイニングテーブル、書斎など、ペンを走らせるスペースさえあればどこでも楽しめます。特別な場所や設備は一切不要です。外出先で手帳の片隅に描くといった楽しみ方もできます。
一人で、または家族と一緒に楽しむ
- 一人で: パターンを描くことに集中することで、瞑想のような効果が得られ、心を落ち着かせることができます。一人でじっくりと、自分の内面と向き合う時間を持つことができます。
- 家族(特に子供)と一緒に: タングルアートのパターンはシンプルなので、子供と一緒に楽しむこともできます。同じ紙に一緒に描いたり、お互いの作品を見せ合ったりすることで、コミュニケーションが生まれます。絵心不要なので、子供も気負わずに参加できます。
初心者がつまずきやすい点と対処法
- 「絵を描くのが苦手だから無理だと思う」 タングルアートは絵を描くこととは異なり、決められたパターンを繰り返し描く作業が中心です。直線や曲線、点を描くことができれば誰でも楽しめます。まずは簡単なパターンから挑戦してみてください。
- 「どんなパターンを描けばいいか分からない」 インターネットで「タングルパターン」「ゼンタングルパターン」と検索すると、多くの基本的なパターンが見つかります。まずはそれらを真似て練習するところから始めましょう。ゼンタングル公式の基本的な8つのパターンなどから入るのも良い方法です。
- 「失敗してしまったらどうしよう」 ゼンタングルには「ノーミステイク(間違いはない)」という考え方があります。線が曲がってしまったり、思っていた通りにならなくても、それを活かして新しいパターンに変えたり、影のつけ方で調整したりと、創造的に乗り越えることを楽しみます。完璧を目指すのではなく、プロセスを楽しむことが大切です。
タングルアート(ゼンタングル)は、特別な才能や高価な道具がなくても、誰でもすぐに始められ、集中やリラックスといった効果を得られる素晴らしい趣味です。まずは手元にあるペンと紙で、気軽にパターンを描き始めてみるのはいかがでしょうか。